グルメ漫画の金字塔と言えば『美味しんぼ』だ。主人公・山岡士郎とその父親にして最大のライバル「海原雄山」との究極vs至高の対決はいつもどちらが勝つのかハラハラしてしまう。
その『美味しんぼ』の初期に海原雄山が絶賛し、山岡士郎が完全敗北を認めた対決がある。それは「コメの炊き方」。ある方法を使えば、同じコメでも普通に炊くより劇的に美味しく炊け、海原雄山が15年間経っても忘れられない味になるらしい。
・コメ粒をそろえて炊く「もてなしの心」
DangDang(だんだん)気になってきたので調べたところ、そのコメの炊き方を確認できるのは、漫画ならコミックス5巻の第8話(文庫版4巻第6話)、アニメなら第17話の「もてなしの心」だった。
詳しくはそちらを参照していただきたいが、その方法を、ザクっと説明すると「コメを一粒ずつ選別し、粒の大きさをそろえることで微妙な炊きムラをなくす」というものだ。微々たる米粒の大きさの違いが大きな味の差を生むというのである。
・お金がない本村さんの精一杯のおもてなし
このコメ粒をそろえるというのは、かつて海原雄山の下で働いていた「本村さん」宅に海原雄山が訪れた際、もてなしたかったが豪華な食材を買うお金がないので、せめてできることで……という精一杯のもてなしだったとのことだ。これは泣ける。そんなコメのことを「本村米(もとむらまい)」と呼びたい。
・実際にコメ粒をそろえてみた
あの海原雄山に15年間も忘れさせないほどの味、そして最高の材料をそろえた山岡士郎にも勝利した味とは、きっと涙が出るほど激ウマになるに違いない。ということで、実際にやってみることにした。
・想像以上にネバーエンディングな作業
黒いお盆の上に載せたコメをピンセットで1粒ずつ確認。欠けたり濁っていたり、極端に大きさが違うコメをより分けていく。これが想像以上に途方もない! まず最初の1合で約2時間10分が経過だ。マジかよ、ちょっとこれはかなりネバーエンディングなんじゃないのか!?
・2合準備するのに約3時間半
だが後半の1合は意外にも約1時間20分と、大幅スピードアップだ。2時間以上もコメを見つめているとコツをつかんだというか、粒がそろっていないコメが浮きあがって見えてくる。自分の中に本村さんの魂が入ってきたかのような “本村降臨状態” だ。
同時に、これが炊き上がったらどんな形になるのだろうかと気になってくる。きっと本村さんもコメの炊きあがりを、そして海原雄山の笑顔を想像しながらコメをより分けてたんだろうなぁ。結局、2合準備するのに3時間23分55秒かかった。
・満場一致で「本村米がウマイ!」 コメの舌触りが全然違うぞ!!
そしていざ炊飯アーンド実食だ! 公平をきすために普通に炊いたご飯と本村米、どちらかわからないようにブラインドテストをしてみた。その結果……なんと3人共「本村米がウマイ!」「コメの舌触りが全然違う」という結論に達したのだ!! マジかよ!?
筆者も食べてみると、確か普通に炊いたコメと比べてなめらかな食感だ。海原雄山の言うように炊きムラがなく、さらに大きさがそろっているため歯ざわり、舌触りが均一。粒でありながら、とろけるようななめらかさを持っているのだ。お茶漬けにするのがもったいない。「本村米」は、コメをコメとして食べたい、そう思わせてくれるものだった。
・人間力が高いコメ
もし、誰かが自分を思ってこんな風にコメを炊いてくれたら感激するだろう。ほぼ惚れそうだ。まったく女子力が、男子力が、いや、もろもろを超越した「人間力が高いコメ」と言ってもいいのではないだろうか!? 毎日は厳しいが、ここ一番というときにやってみるとポイントになること間違いなし。一生に一度くらいはやってみてもいいかもしれないぞ。
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
オリジナル記事: 『美味しんぼ』の海原雄山が絶賛したコメの炊き方は本当にウマいのか? DangDang 気になってきたので試してみた / コメの大きさを一粒ずつそろえて炊く
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